大阪で道路使用許可・道路占用許可の代行を承っている道路許可申請代行PRO(BUILD法務事務所)の荻野です。当ページでは一番ご依頼の多い足場の道路占用許可について大阪の事例をもとに解説しています。

道路占用許可は申請する道路管理者によって必要書類がかなり異なりますので、当ページの情報は参考程度に留めておいてください。

なお、必要書類の考え方の大枠は同じですので、ご自身で申請される場合の参考にしてみて下さい。

現場調査編

以下、現場調査時に必要な備品や、調査方法等を解説しています。足場設置等の道路占用許可は、道路境界線の把握や道路所有者の把握等が必要になってきますので、注意して調査を進めるようにしましょう。

現場調査の際に持参するもの

現場の地図

現場周辺の地図を広域図と詳細図に分けて準備しておきましょう。広域図は現場周辺の環境確認の為、詳細図は実際の道路幅員や建物の寸法等を記載するために使用します。

道路使用許可と違い、建物の寸法等の記載が必要なケースがありますので情報量が多くなる場合に備え、複数枚持参するとよいでしょう。なお、建物の図面がある場合はその図面を参照すればよいので、建物の寸法の測量は不要です。

道路幅員や建物の寸法のほかに、道路境界から点字ブロックまでの幅員や、植樹帯、駐輪場等の障害物がある場合は、道路境界から障害物までの幅員も記載しておくようにしましょう。

カメラ(スマホで可)

足場の道路占用許可申請時に現況写真の提出を求められる場合があります。必ず撮影しておくようにしましょう。

測量機器

道路幅員や建物の寸法の測量の為に、測量機器を準備しておきましょう。ロードメジャー、メジャー(スケール)、レーザー測量器があれば一通り対応可能です。

現場調査の手順

現況写真、周辺状況の撮影

まずは、現場周辺の写真撮影を行います。
現況写真はありますか?とクライアントに問合せをすると、足場を設置する建物の外観写真を頂くことが多いですが、道路占用許可において重要なのは、足場を設置する路面の現況です。

道路管理者は、足場の設置において道路が損傷していないか?という点を気にしています。
この路面の現況写真があることにより、足場設置により道路が損傷しているか否かの判断をしています。
なお、仮に足場の設置により路面が損傷した場合は、自費での復旧が必要になりますのでご注意ください。

また、後の図面作成時の参考になりますので、現場周辺の写真は撮影しておくようにしましょう。
弊所も図面作成時に現場写真に救われたことが多くあります。細かく撮影しておくことをおススメ致します。

道路幅員や建物寸法の測量

次は道路幅員や建物寸法の測量を行います。
足場を設置する道路の測量と、足場の資材搬入用のトラック等を駐車する道路の幅員を計測します。

点字ブロックがある場合は、道路境界から点字ブロックまで。駐輪場や植栽等の障害物がある場合は、道路境界から障害物までの距離を測定します。

点字ブロックの考え方

足場設置後の道路有効幅員がいくらとれるか?というのが非常に重要になります。特に点字ブロックがある場合は、点字ブロックの両サイドにある程度の幅員の確保が必要になります。道路管理者により幅員の指示はまちまちですが、60cmが一応の基準になります。仮に、十分な幅員が確保できない場合は、点字ブロックの一時的な移設が必要になります。

足場の出幅の考え方

道路境界線からの足場の出幅も、道路管理者により考え方が異なりますが、おおむね60cm程度とされることが多いかと思います。ただ、60cmの出幅だと足場の設置ができない場合があるかと思います。その際は道路管理者に事情を説明しましょう。場合によっては理由書の提出することで許可される場合もあります。

道路境界の考え方

足場の仮設を間口のみの行う場合は、あまりこのようなケースには遭遇しませんが、足場を複数面に設置する場合は、足場により道路管理者がことなったり、足場が私有地(私道)に跨るケースがあります。

現場調査時には道路境界の確認を行っておきましょう。

このようなケースですね。仮に私道にまたがってしまう場合は、私道の所有者に予め工事の説明を行い、了承を得ておくようにしましょう。無断で工事を行うとトラブルのもとです。

所有者は、管轄の法務局に行き、公図と登記簿で確認することができます。

建物寸法の測量

建物の図面がない場合は、建物の外寸の測量を行います。その際に、建物の躯体から、道路境界線までの幅員を計測しておきましょう。

例えば、躯体からの足場の出幅が60cm。躯体から道路境界までの幅員が30cmの場合は、足場の出幅は30cmということになります。

足場は占用面積により占用料が変わりますので、料金的には占用面積が少ない方が安くなります。

もちろん、敷地や建物の詳細な図面がある場合は計測せずに、その図面の情報を流用すればOKです。
※現況との整合性がとれているという前提

申請先の道路管理者の確認

道路占用許可申請は、占用を行う道路(足場を設置する道路)を管轄する道路管理者に申請を行います。
時には1つの工事で2つの道路占用許可申請が必要となる場合もありますので、入念な確認を行っておきましょう。

一般的な道路管理者の調べ方はこちら

インターネットで路線図が公開されていない場合は、道路管理者を直接訪問するケースが多いですが、電話での確認を行える道路管理者もあります。

1つの工事で2つの道路占用許可が必要になるケースの解説はこちら

道路管理者に確認しておくべき事項

道路占用料

1㎡/1か月あたりの道路占用料を確認しておきましょう。
等級の高い道路、足場の規模が大規模な場合、占用期間が長い場合等は道路占用料が高額になる場合があります。

申請から許可までの期間

道路占用許可申請を行ってから、許可が下りるまでの期間を確認しておきましょう。
その期間に道路使用許可の審査期間を含んでいるのかいないのか?を併せて確認します。

必要書類

必要書類を確認しておきましょう。道路占用許可は、道路管理者により書類が異なることがかなり多くあります。手続きに慣れている方でも、毎回必要書類の確認を行っておくことをおすすめします。

申請書類作成編(記載例付き)

以下、道路占用許可申請書、添付書類の作成方法記載例付きで解説しています。

道路占用許可申請書

① 新規・変更・更新 いずれかを〇で囲みます。

② 申請者欄  申請者の郵便番号・住所・氏名・担当者・電話番号を記入します。
【例】
住所:〒000-0000大阪市淀川区西中島○丁目○番○号
氏名:株式会社道路建設 代表取締役 道路太郎
担当者:道路 次郎
TEL:06-0000-0000

③  道路を占用をする目的を記入します。
【例】○○ビル外壁改修工事に伴う足場の設置

④ 路線名を記入します。
【例】大阪市●●線

➄ 車道もしくは歩道いずれかに〇をします。

⑥ 足場を設置する建物の住所を記載します。
【例】大阪市北区●●2丁目2番2号

➆ 占用物件の名称を記載します。
【例】足場 養生棚 等

⑧ 占用物件の形状・寸法等を記入します。
【例】0.6×5=3

➈ 足場等、占用物件の専用面積を記載します。
【例】3㎡

➉ 占用期間を記載します。
【例】令和2年10月1日から令和2年10月30日まで

⑪ 占用期間と同様の期間を記載します。
【例】令和2年10月1日から令和2年10月30日まで

⑫ 別紙のとおりと記載します。

⑬ 別紙のとおりと記載します。

⑭ 申請手数料を窓口で納付する必要があります。
※道路占用許可申請手数料は道路管理者により異なります。

⑮ 位置図・平面図・断面図・立面図・工事概要書・仕様書・その他
※工事概要書・仕様書は大阪市に申請を行う場合に必要な書類です。

⑯ 記載は行いません。

図面作成

現地調査時の資料を基に各種図面の作成を行います。
一般的に必要な図面は位置図、平面図、立面図、断面図、交通規制図(保安対策図)です。

詳しい図面作成の方法はこちらのページで解説しています。

申請書類の整理

道路占用許可申請書、図面等の添付書類が完成したら必要書類を整理しましょう。

道路使用許可に関しては、申請書および添付書類が各2部必要になります。

道路占用許可は申請先によって、各2部必要な場合や各3部必要な場合と、必要部数が異なりますのでご注意ください。

いざ、道路占用許可申請へ

書類がすべて完成したら、道路管理者に道路占用許可申請を行います。
念のため印鑑を持参しておくようにしましょう。