道路使用許可の書籍を出版しました!
法律のややこしい話よりも、実務で役立つ情報を記載しておりますので、ご自身で申請される方は参考にしてみて下さい。

大阪で道路使用許可・道路占用許可の代行を承っている道路許可申請代行PRO(BUILD法務事務所)の荻野です。当ページでは道路使用許可申請の方法を1から解説しています。

なお、当ページの内容は実際に弊所で道路使用許可代行のご依頼を承った際に実際に行っている作業内容をもとに内容を記載しています。

大阪の場合を事例に取り上げておりますが、他府県でも大きな流れは同様ですので、ぜひ参考にしてみて下さい。

道路使用許可の申請先を調べる!

まずは、一番初めの段階。道路使用許可は、道路を管轄する警察署に申請を行います。どこに申請を行えばいいのかを調査しましょう。

同じ行政区や自治体でも、微妙に警察署の管轄が複数に分かれている場合もありますので、電話にて確認するのが最も確実です。

大阪府下の道路使用許可申請先一覧はコチラ

道路の幅員等の現地調査を行う!

現在は便利なもので、GOOGLE MAPのストリートビューで道路の状況等を写真で確認することができます。ですが、GOOGLE MAPの撮影した当時の状態と現況が異なるケースもありますので、現地調査を行うようにしましょう。

道路使用許可の調査に必要な備品

現地の地図

現地の地図を印刷し、持参しましょう。
弊所では広域の地図と詳細な地図の2パターンを現場に持参し、詳細な地図に車線の記入や幅員の記入を行い、広域図で周辺道路の確認を行っています。

書き損じ等が発生した場合に備え、複数枚持参するとよいでしょう。持参した地図に道路の幅員や植樹帯、点字ブロック等の状況を記入し、後の安全対策図(交通規制図)の作成、平面図、立面図、断面図(足場設置許可等の道路占用が発生する場合)の参考にしましょう。

カメラ(スマホで可)

図面の作成時に。あれ?あそこの部分どうなっていたかな?という状態を未然に防ぐために、現場周辺の写真を撮影しておくようにしましょう。足場等の道路占用許可申請が必要な場合は、現況写真の撮影の提出が必要な場合もありますので、道路占用許可も必要な場合は、現況写真の要否を事前に道路管理者に確認しておきましょう。

測量機器

道路幅員等計測の為に、測量機器を持参しましょう。幅員の狭い道路では、一般的なメジャー(スケール)で事足りることもありますが、弊所のおすすめはロードメジャーもしくはレーザー測量です。複数人で測量に行けるシーンでは、巻き尺でもアリです。


複数の車線がある道路では、各車線ごとの幅員を計測しておきましょう。

現地調査の手順

現場周辺の写真撮影

スマホやカメラ等で現場周辺の撮影を行います。道路標識も忘れずに撮影しておくようにしましょう。足場の道路占用許可の場合は、足場を設置する路面の撮影も行っておくようにしましょう。これは足場設置前の路面と足場設置後の路面の破損状況を確認するためのものです。

道路の測量

ロードメジャー等で道路幅員等を計測します。周りの交通状況を確認し、事故のないように気を付けましょう。さて、どこからどこまでが道路なのか?というところですが…。

境界杭(境界標識)がある場合はその境界杭で判断します。境界杭がある場合はわかりやすくて良いのですが、ない場合は道路の側溝や縁石で判断します。足場等で道路占用許可が必要な場合は、占用面積の求積の為にもこの道路境界は非常に重要になります。

一見道路に見えますが、道路上に境界杭が打たれている道路があります。これは道路使用許可上は実際の道路幅員に対して許可の判断を行いますが、道路占用許可の場合は、あくまで私有地(道路境界)から足場がはみ出るかどうかが重要になります。(私有地から足場がはみ出る場合は道路占用許可が必要)

道路幅は測量する箇所によって異なるので、一番幅員が狭い部分での計測を行い、一般交通に支障ない作業計画を立案しましょう。

一般交通に支障が出る場合は、通行止め(う回路の設定等)を検討します。

地図へ情報の落とし込み

道路の測量が完了したら、その情報を地図に落とし込んでいきます。道路の幅員はもちろん、植樹帯や駐輪場がある場合は、その位置や幅員。後の警察協議や図面作成に使用しますので、情報に抜けのないように注意しましょう。

所轄警察署で事前協議

弊所の場合は、現地調査が終わったらその足で所轄警察署と協議を行っています。
現場から所轄警察署は同じ行政区ですので、その方が後日改めて協議を行うよりも効率的です。

警察署の1Fに道路使用許可の窓口があります(大阪東警察署は珍しく2Fに窓口があります)ので、担当官と道路使用許可の可否について協議を行います。
※道路使用許可の窓口がわからなければ受付で聞けば教えてもらえます。

具体的な作業形態を協議

道路使用許可を申請する住所、現地調査時に作成した現況図を見せながら協議するとよいです。
作業用車両の配置場所や、作業時の有効幅員、作業可能時間等について協議を行います。

他の道路使用許可の申請が出ていないかを確認

まれに同時期に同場所で違う作業や工事が入っていて、時期をずらさざるを得ない場合や、マラソン大会等のイベント等で時期をずらさなければならない場合もありますので、そのあたりも確認しておくようにしましょう。

通行禁止の規制の確認

道路使用許可申請の作業現場に作業車両が乗り入れる際、通行禁止道路を通行しないかどうかを確認しましょう。通行禁止道路は車両の重量等により規制内容が異なりますので、周辺道路の規制内容を把握、規制に引っかかる場合は車両の変更の検討や、変更が不可の場合は通行禁止道路通行許可の申請が必要になります。

通行禁止道路通行許可申請についてはコチラ

申請から許可までの期間、一度に取得できる期間の確認

申請から許可までの期間も要確認項目です。各都道府県単位で道路使用許可の標準処理期間が定められていますが、所轄単位で申請から許可までの期間が1日前後することがあります。

また、一度で許可申請が可能な期間も確認します。
例えば1回の申請で1週間までの許可が認められる場合。2週間の作業期間が必要な場合は道路使用許可申請を2回分行う必要があります。

なお、特殊な事例(最近の弊所の事例ではドローン離発着の為の道路使用許可)では通常1週間しか認められない道路使用許可も、協議により2週間認められたりするケースもありますので、何か特殊な事情がある場合は、協議を行ってみるのも良いでしょう。


道路使用許可申請書、図面の作成

案件により異なりますが、道路使用許可申請に必要な書類は下記のとおりです。必ず所轄の警察署に必要書類を確認のうえ申請を行いましょう。
・道路使用許可申請書

・位置図

・安全対策図(交通規制図)

道路使用許可申請書

① 申請年月日
申請日を記載するのですが、申請現場で記入するようにしましょう。もし不備があり別日での申請となる場合は訂正が必要になるためです。

② 申請書の提出先
ここは●●警察というように、警察署名を記入します。事例によっては警察署の管轄がまたがる場合がありますが、その場合は申請する警察署を記載します。

③ 申請者
個人の場合は個人名(屋号をつけても問題ありません)、法人の場合は法人名、役職名、代表者氏名を記載します。
例:株式会社道路許可申請代行オフィス 代表取締役 道路 太郎

④ 道路使用の目的
道路使用の目的を具体的に記載します。
例:資材搬出入の為、外壁改修工事に伴う足場の設置 等

⑤ 場所又は区間
ここは現場の住所を記載すれば問題ありません。

⑥ 期間
道路使用に必要な期間を記載します。注意が必要なのは、期間を無制限に設定できないことです。
例えば、路上作業の場合は1週間までが上限。というように決められています。
協議により、期間の延長が認められるケースもありますので、事前に所轄警察署と協議を行うようにしましょう。

⑦ 方法又は形態
図面を添付する場合がほとんどですので、別紙のとおりで問題ありません。

⑧ 添付書類
こちらは実際に添付する書類の名称を記載します。
例;位置図 交通規制図

⑨ 現場責任者
実際に、道路使用の現場全体を管理する人を記載します。
電話欄には、現場責任者の携帯番号の記載を求められるケースが多いです。

⑩ 道路使用許可証
ここは警察署の記載欄ですので、何も記載しないでください。

⑪ 手数料(バーコード)
記載不要

⑫ 領収印字
記載不要

位置図

こちらは現場の地図のことです。とくに使用する地図に指定はないのですが、現場を赤く塗りつぶす等の工夫を行いましょう。特に縮尺の指定もありませんが、あまりに縮尺の広いものや狭いものでは位置の確定が難しい場合がありますので、適時調整を行いましょう。

交通規制図(安全対策図)

道路使用許可において一番重要な書類です。
こちらの図面で如何に交通に支障をきたさないか、交通に支障をきたすとしても、支障が最小限であり、一般交通が行えることを説明する必要があります。

図面作成方法について、詳しくはこちらのページで解説していますので、参考にしてみて下さい。

道路使用許可申請書、添付書類が完成しましたら、警察署にて道路使用許可申請を行いましょう。